お悩み別で絞る

岡崎外科消化器肛門クリニック 院長 岡崎啓介 先生

岡崎啓介 先生
プロフィール
岡崎外科消化器肛門クリニック 院長
  • 2009年に岡崎外科消化器肛門クリニック開設
  • 日本大腸肛門病学会評議員・指導医・専門医・邦文誌編集委員
  • 日本臨床肛門病学会評議員
  • 日本外科学会専門医・認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • アメリカ消化器病学会正会員
岡崎外科消化器肛門クリニック(姫路)
〒670-0921
兵庫県姫路市綿町119 姫路不動ビル2階

安易に痔と判断しないことが大切

患者さんはおしりの出血、痛み、違和感、かゆみなどの症状を訴えて来院されます。たいていの場合、「痔核(いぼ痔)」「裂肛(きれ痔)」「痔ろう」のいずれかに該当しますが、違和感やかゆみの場合は肛門皮膚炎、痛みの場合は陰部神経痛といったように、痔以外の病気であることも考えられます。内痔核の手術をした方が痛みがとれないといって来院された時の例ですが、陰部神経痛も患っていたために、手術の痛みに神経痛が重なり、病状が悪化していたことがありました。簡単に痔と判断せず、痛みや違和感の原因を正しく突き止め、適切な治療を行うことが大切です。

おしりから出血した場合は、ひとまず病院へ

おしりからの出血の場合、患者さんはたいてい驚かれますが、出血に関しても全て痔によるものとは限りません。来院された際は、まず血の色や出方をうかがいます。黒い血であれば胃や食道など上部消化管から、赤い血が混じっている場合は大腸からの出血ですので、その検査や治療を行います。一番多いのは、赤い血(鮮血)が出ると言う患者さんです。この場合は、肛門や付近の直腸、S状結腸などからの出血であり、肛門周辺のがんの可能性も考えられますので、できる限りすぐに検査を行います。また、まれにではありますが、内痔核が破れてひどく出血している方がいます。その場合は、その日のうちに手術をする必要がありますので、すぐに病院に行ってください。

おしりから出血した場合は、ひとまず病院へ

まずは、がんのリスクを取り除くことが重要

おしりからの出血の場合、一番にがんを疑わなければなりませんが、痔の治療とがんの治療は根本的に違います。がんの場合は、とにかく急いで治療に専念しなければなりません。出血で来られた患者さんでがんの疑いがある場合、スケジュールに余裕があれば、その日に内視鏡を入れ、大腸の病変が無いかどうかを確認します。患者さんも潜在的には大腸がんを心配しているため、医師に痔と診断してもらうことを期待している節があります。安易におしりの病気と診断せず、まずはがんのリスクを疑い、そのリスクを消してあげることは、私たち医師の責任でもあります。

間違った治療で悪化させてしまうケースも

出血や痛みを訴えて来院される方は、3大疾患と言われる「痔核(いぼ痔)」「裂肛(きれ痔)」「痔ろう」のいずれかに当てはまることが多いのですが、その他にも「肛門皮膚炎」や「陰部神経痛」など、いろいろな病気があります。特に「陰部神経痛」については、がんこな痛みが続きます。「いぼ痔」のある方で、治療を受け手術もしているが痛みがとれないと言う方がたまにおられます。そういう方は、「陰部神経痛」の痛みを手術が助長している場合があります。神経痛の痛みに術後の痛みが絡むと余計に悪化しますので、この場合はかなり慎重に判断する必要があります。

間違った治療で悪化させてしまうケースも

女性に多い「肛門皮垂」や「肛門ポリープ」

女性の方で特に気にされるのが多いのは、裂肛(きれ痔)に伴ってできる肛門の皮膚のたるみ「肛門皮垂」です。「肛門皮垂」はその人にとってそれが邪魔でなければ、放っておいてもかまいません。ただし、皮垂が大きくなって便がふき取りにくいなど、何か困ったことがある場合は、保険適用になるのでご相談ください。また、女性はきれ痔が多いため、それに伴いおしりの中に肛門ポリープができることがあります。外に出てくるケースもあるのですが、「きれ痔に伴う肛門ポリープができている」と言われると、ポリープという言葉に反応し、がんを心配される方がおられますが、肛門ポリープは大腸ポリープと違い、皮膚の成分ですのでがんにはなりません。

かかりつけ医の意見や知り合いの口コミも有効

日本大腸肛門病学会の専門医であれば、肛門科の領域であれ大腸外科の領域であれ、ある程度トレーニングを受けていますので、こうした医師のいる病院やクリニックの受診をお勧めします。また、近くに専門医がいない場合は、まずはかかりつけ医に相談し、紹介してもらうのが良いでしょう。近年はインターネットで調べる方も増えましたが、ネットの情報には不確かなものも混じっていますので鵜呑みにするのは危険です。それよりも、お知り合い、特に医療関係者がいればその方の口コミなどが有効でしょう。

小回りのきくところがクリニックのメリット

診察に関してクリニックの利点は、小回りがきくところです。初診で内視鏡まで入れても、検査そのものは数分ですので、他に待っている方がいなければ1時間弱で終わります。少し混んでいても、2時間もあれば収まると思います。費用に関しても、当院は院内処方なので院内で支払う金額は少し高く感じるかもしれませんが、薬局では一切かかりませんので、費用は安い方だと思います。初診の方で便秘や痔のお薬まで出して、1割負担の方なら760円、3割負担の方でも2300円程度です。出血がある方で内視鏡検査を行った場合でも、S状結腸までの内視鏡を入れて、1割で1400円、3割で4200円程度です。この金額で、おしりの病気なのか大腸がんなのか、かなりの確率で判断できます。費用は決して高くありません。「気おくれが手遅れになる前に」、心配な方はできるだけ早めに受診してください。

小回りのきくところがクリニックのメリット

肛門科の治療は困っている症状を取り除くこと

痔核(いぼ痔)については、症状(脱出)の度合いを表すゴリガー分類があります。大まかには、1度は出血するだけ、2度は排便時に痔核が出るが自然に戻る、3度は排便時に出てきて手で押さないと戻らない、4度は痔核が出たままと分類できます。手術が必要なのは3度からと言われています。痔核の手術に関しては、結紮(けっさつ)切除という施術がスタンダードですが、現在は内痔核を注射で治す方法も普及してきており、日帰り手術などの選択肢も広がりました。がんの場合は、見つけたら治療一本やりで治療のガイドラインから外れる方が危険ですが、肛門科の治療は、基本的には患者さんの困っている症状を取り除くことです。医学的な診断を示した上で、仕事を含めた患者さんの日常生活も考慮し、患者さんと相談しながら治療の方法を決めるようにしています。

一言で「便秘」と片付けず、まずは細かい状況の確認を

「便秘です」と来院される方はたくさんおられますが、患者さんの考える便秘はそれぞれ程度が違います。「便を出す時に困る」のが便秘と思っている方もいれば、「便の出る回数が少ない」ことを便秘と思っている方もおられます。大事なのは、排便回数は1週間に何日か、排便のある日は何回出るか、どんな形状や色の便が出るか、をしっかり聞くこと。当院では、まず患者さんに便の絵を見せながら内容や回数を確認しています。
また、便秘とおっしゃる患者さんの中には、市販の刺激性下剤を長期間服用している方も多いのですが、これは良い便が出にくくなる要因の一つです。こうした患者さんには、いったん弱い刺激性下剤に代え、徐々に離脱させながら便秘の改善を図るようにしています。

毎朝1回、朝食前の排便が理想的

これまでの基準では、1週間に3回以上、1日3回までを排便回数のストライクゾーンとしていますが、生理学的に見れば、朝に1回、朝食前の排便が望ましいと思います。動物は、朝日と共に腸がぐるっと動いて、便を出し、体を軽くして餌を取りに行きます。これは人間も同じです。朝1回の排便で腸を空にする、そうすると翌朝までは出ないというのがベストですね。便通が良い男性など、毎食後に排便する人がいますが、これは胃結腸反射です。悪くはありませんが、排便コントロールという意味では、できるだけ1日1回に持って行くことが望ましいですね。基本的には生活指導をはじめ、便秘の場合は便の硬さや腸の蠕動(ぜんどう)運動をコントロールする薬などで改善を図りますが、排便回数の多い人も少ない人も、毎朝1回、自然に排便できるようになれば、驚くほど良い便が出るようになりますよ。

毎朝1回、朝食前の排便が理想的

繊維質の摂取は大豆がお勧め。水分摂取は常温の水を少しずつ

繊維質をとった方がよい便秘の方と、繊維質をとっても関係ない便秘の方がいます。大腸の通過時間自体は問題ないのに便秘になる方は、繊維質が非常によく効くのですが、通過時間が長くて腸自体が弱っている人には効きません。そこを見極める必要があります。繊維質が効く方であれば、大豆がお勧めです。納豆や豆乳なども効果的ですね。生野菜からはそんなに繊維はとれません。便が硬くてコロコロの方には、マグネシウム製剤で便に水分を含ませる処置を施します。また、そうした方は水分のとり方にも注意が必要です。冷たい水を一気に飲むと大半が尿や汗で流れ出てしまいますので、常温の水を少しずつ、1日に500mL以上余分にとるように心がけてください。

この記事の監修医師
岡崎 啓介先生

おすすめコンテンツ

ページトップへ戻る