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川堀病院 竹田春華 先生

竹田春華先生
プロフィール
川堀病院
  • 川堀病院勤務
  • 日本大腸肛門病学会専門医
  • 日本外科学会専門医
  • 日本消化器外科学会会員
  • 日本内視鏡外科学会会員
  • 日本臨床肛門病学会会員
  • 内痔核治療法研究会会員
  • 美腸プランナー 2級
川堀病院
〒732-0826
広島県広島市南区松川町3-8

妊娠中の痔は、うまく付き合うことが大切。ただし気になる症状は自分で判断せず医師に相談を。

妊娠中の主治医は産婦人科の先生なので、産婦人科の先生にも相談してみてください。出産に耐えられないと判断した場合や、産婦人科の先生が専門医に相談した方が良いと判断した場合は、肛門科受診を勧められると思います。また、産婦人科の先生に相談しづらいこともあると思います。その場合も、薬で治るものなのか、あるいは様子を見てよいものなのかはご自分で判断せず、ぜひ肛門科を受診してみてください。インターネットでは「肛門の中に入れた方がいい」と書いてある痔も、外痔核の腫れが合併している時は中に入れることで痛みが増強し、悪化することもありますし、いぼ痔ではなく、ほかの肛門疾患である可能性もあります。適切な処置や適切なお薬で症状が軽快すると、快適に妊婦生活を送れるようになります。
いぼ痔は悪性に変わったり、転移したりするものではなく、良性疾患なので、いぼ痔があっても出産はできるし、妊娠は継続できます。患者さんには、「痔主さんはたくさんいますから、うまいこと付き合ってくださいね」とお話しします。妊娠中に痔が悪化しないための対処法としては、便秘・下痢をしないこと、いきまないこと、入浴して血流改善を促すことがお勧めです。

風邪薬にも気を使う妊娠中。薬の成分はより安心できるものに。

妊娠中に使用する痔の市販薬は、妊娠の週数によって異なります。注入薬については、安定期に入るまでならステロイドフリーが良いでしょう。使用前に医師などに相談してください。
当院で処方する場合は、ステロイドを使用するのは安定期に入ってから出産までの期間です。それ以外の時期には使いません。飲み薬に関しても、酸化マグネシウムや大建中湯といった便秘薬は処方しますが、基本的に痔の腫れ止めの飲み薬は出しません。妊娠している女性であれば、風邪薬ひとつとっても気を使うでしょう。いろいろな意見も参考に、薬を選んでいただければと思います。

風邪薬にも気を使う妊婦中。薬の成分はより安心できるものに

下剤の飲み過ぎで下痢になっている場合も。薬がなくても大丈夫という自信をつける。

便秘には、直腸性や弛緩性などという分類がありますが、私は患者さんにはそう言った医学用語は使いません。「どんな間隔で便が出るのか」「そこまで来ているのに出ないのか」「硬いのか軟らかいのか」などといった症状をもとに、アドバイスするようにしています。硬い便なら「しっかり水分摂ってね」、腸が動いていないなら「運動してね」など、わかりやすい表現を使って説明します。
便秘の治療で大事なのは、やはり生活習慣の改善です。まず早寝早起きをお勧めしています。ヒトは小腸からセロトニンと呼ばれる幸せホルモンを出しますが、朝日を浴びることで分泌が促進されます。朝日を浴びて「今日も一日がんばるぞ!」となると、腸も元気に活動するようになるのです。
実は便秘ではないのに「自分は便秘だ」と思い込み、薬を常用している方も少なくありません。毎日便が出ないのは便秘ではありません。毎日同じ時間に便が出るのは理想ですが、2、3日に1回でもスッキリと残便感なく便が出ていればOKです。当院にも「市販の便秘薬をやめたい」と来院される患者さんがいます。中には便秘薬の飲みすぎで下痢を起こしている方もいます。下痢なので残便感もあるし、おしりも荒れています。そんな方には、生活習慣を改善するようお話し、市販薬を止め、続けても大丈夫な内服薬に変えるようお話します。しかし、止めてすぐ便秘が治るわけではないので、3日間やってだめならこれまでの薬を1回飲むように勧めたりして、「前より出るようになったね」と患者さんと一緒に喜び合います。「自分もやればできるんだ」という自信を持つことが大切です。

便が出ないと考えすぎるのは禁物。ただし便の色は毎回チェックを。

便秘になると肌荒れも起こりますし、おしりにも悪く、良いことは何もないです。「便秘うつ」といって、朝起きてから、「今日は出るかな」、「これを食べたら出るかな」など、便のことを一日中考えてしまう人もたくさんいます。「あれもこれもやっているのに、なぜ便が出ないんですか!」と訴えてくる患者さんもおられますが、便秘で考え込みすぎるのはよくありません。出ないからといって食事の量を減らしたりすると、便のかさが減って逆効果です。2~3日に1回でも、良い形の便が出ていれば大丈夫。「今日出なくても明日出るわ」と思うぐらいで良いのです。もし心配であれば、来院してください。ただし、便の色はいつも見ておいてください。健康な人の便は黄土色ですが、胃腸に異常があると、出血で黒くなったり、赤い血が混じったりすることがあります。出血に関しては、排便のたびに出るのか、止まることもあるのか、勢いよく出るのかなど、具体的に問診します。便に混じっている血の色は、出血の場所が腸の上の方であれば黒くなり、おしりに近ければ赤くなります。大腸がんの可能性もあれば、痔の可能性もあります。出血が続くようであれば迷わず受診してください。

便が出ないと考えすぎるのは禁物。ただし便の色は毎回チェックを。

生活習慣の改善でも、朝の活動は重要。毎朝15分、ゆっくりする時間を設けよう。

生活習慣を変えて、それでも便が出なければ便秘薬を使用するという順序で治療していくのが良いでしょう。妊婦さんの場合も同じです。ただし、妊娠中は飲んでも大丈夫な下剤の種類が限られてきます。当院では、マグネシウム系の薬や大建中湯という漢方薬を中心に使っています。刺激性下剤も使うことはありますが、高齢の方で排便がない場合ですね。ただし、毎日は処方しません。どうしても出ない場合に、頓服的に使ってもらいます。
生活習慣の改善については、朝起きて朝日を浴び、コップ一杯の水を飲み、朝ご飯を食べる、食物繊維を水溶性・不溶性バランスよくとる、一駅歩く、買い物で歩くといった程度の運動をするなどを心掛けてください。腸が動くゴールデンタイムは1日に1~3回ありますが、最もよく活動する時間帯が朝食後の1時間以内。その間に腸は、15分ぐらいずっと動いています。だから朝ご飯を食べてほしいという話をしつつ、朝食後15分程度ゆっくりする時間を設けてくださいとも伝えます。特に女性は、朝ご飯の用意をしてお子様を送り出し、仕事に行くというようにバタバタしがちです。トイレに行きたくてもタイミングを逃してしまい、また出なくなってしまいます。そういう意味で、忙しい朝でもゆっくりする時間は欲しいですね。

「下剤は出ないから量を増やす」、「ダイエットのお茶」には要注意!

市販の下剤は手軽に使用できますが、刺激性下剤は毎日飲まない方が良いですね。「出ないから量を増やす」のは要注意です。用法用量は守ってください。
また薬だけでなく、ダイエットのお茶にも刺激性の成分が入っているものがあるので注意が必要です。飲みすぎると腸が黒っぽくなり、動きも悪くなります。おしりにも良くありません。お茶だから手軽だと思って飲み過ぎると危険なので、注意しましょう。
また処方薬でも、刺激性の下剤を複数または決められた量以上に飲んでいる患者さんもおられます。当院の経験では、5種類の刺激性下剤を飲んでいたのを1種類に減らしたら、2週間後に便秘が治った方もおられました。まずは、薬への依存を断ち切らなければなりません。

下剤は「出ないから増やす」が最もダメ。ダイエットのお茶にも要注意!

痔は突然やってくる。症状が出ればすぐに受診を!

痔は、これまで症状が無くても突然発症することがあり、その1回で緊急手術になるケースもありますので、便秘の期間だけでは判断が難しいところです。期間ではなく、症状が出たタイミングで受診していただければ良いと思います。おしりに違和感や痛み、出血などがあれば受診してください。外来でも、直腸の下の方までは診察することができるので、直腸がんを見逃さないためにも、症状があった場合は早めに受診してください。
痔になった時に簡単にできる対処法としては、お風呂にゆっくり入って温まることをおすすめします。ズキズキ痛むので、お風呂に入ってはいけないと思われがちですが、シャワーのみで済ませるよりも、湯船につかって温めてください。また、トイレでいきみすぎるのは禁物。トイレに行きたくなれば、我慢せずに行って出す。そしてすっきりしなくても、早めに切り上げるようにしてください。スマホや新聞を片手にトイレに入ってはいけません。
痔でお悩みの方、特に女性にとって、肛門科の敷居が高いのはよくわかります。最近は、女性の医師も増えています。私たちも、痔でお悩みの患者さんの背中を押すことができればと思っていますので、とにかく気になったら一度、肛門科に来てみてください。

インターネットの情報だけを見て悩まず、まずは医師に相談を。

妊婦さんは、おしりのことや出産のことなど、何でもインターネットで調べられるのですが、その情報を全部鵜呑みにはしないでください。もしインターネットで調べて悩んでいるぐらいなら、まずは一度、受診してほしいですね。便秘薬を使う場合、妊婦さんは主治医が産婦人科の医師になると思いますので、まずはそこで相談してください。ただし、これから妊娠しようとされている方などは、その病院を受診する際に、自分が妊娠希望である旨を伝えるようにしてください。妊娠初期に薬を使ってしまって、「あの薬を使っても大丈夫だったのだろうか」と心配し続けるのも嫌でしょう。当院でも、問診票には妊娠希望やその予定があるかどうか聞くようにしています。そうすれば、こちらも気を付けることができますので。何らかの事情で病院へ行けずに市販の便秘薬を使用する場合、薬剤師とも相談して、自分の体にあった薬を使うようにしましょう。

インターネットの情報だけを見て悩まず、まずは医師に相談を
この記事の監修医師
竹田 春華先生

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