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大阪中央病院 外科 特別顧問 藤徹 先生

齋藤徹 先生
プロフィール
大阪中央病院 外科 特別顧問
  • 日本外科学会指導医・専門医・認定医
  • 日本消化器外科学会指導医
  • 消化器がん外科治療認定医
  • 日本大腸肛門病学会評議員・指導医・専門医・邦文誌編集委員・教育委員・健康保険委員
  • 日本臨床肛門病学会評議員
  • 近畿肛門疾患懇談会世話人
  • 内痔核治療法研究会常任世話人
  • ALTA実技指導講師
  • 日本臨床肛門病学編集委員
  • 近畿外科学会特別会員
大阪中央病院
〒530-0001
大阪府大阪市北区梅田3-3-30

痛み・出血・腫れ・痒み(かゆみ)、脱出など

外痔核(肛門の外側にできるいぼ痔)では痛み・出血・腫れ・痒み(かゆみ)の症状以外に脱出もあります。一方、内痔核(肛門の内側にできるいぼ痔)では出血や脱出が主な症状であり、痛むことはまれですが、裂肛(きれ痔)や血栓性外痔核(血まめ)を伴うと強い痛みを生じます。外痔核の痛みは軽度なものが多く、通常は重だるい鈍痛です。血栓性外痔核のみ強い痛みを生じます。急性の裂肛(きれ痔)の痛みは排便時に生じて、排便中ずっと痛いのですが、殆どの場合は放置しても4日から1週間で自然に治り、痛みがなくなります。排便時の痛みが3週間も続いたり、排便後に数時間も痛みが続くと、深くなったり慢性化していますので、病院や診療所を受診された方が良いでしょう。

排便時以外の出血と、我慢できない痛みは必ず専門医へ

排便時に出血することはいろいろな原因でよくありますが、排便時以外にも出血する時は大腸がんなど命にかかわる疾患もあり、痔核(いぼ痔)と大腸がんの鑑別が必要なので専門医をすぐに受診してください。また、我慢できない痛みを伴う時も、切開して膿を出したり、血栓を除去する必要がありますので専門医を受診してください。単に脱出がある場合はすぐに受診する必要性は低いのですが、早い時期には注射一本(硬化療法)で治せる内痔核の脱肛が、放っておくと注射では治せなくなり、痛みを伴う治療法(切除する治療法)しか選択できなくなってしまいます。早期に受診する方がいろいろな治療法を選択できる利点があります。

排便時以外の出血と、我慢できない痛みは必ず専門医へ

座り続ける仕事では、途中で一度立ち上がる

痔核(いぼ痔)のはっきりしている原因として「便器に座る時間が長い」、あるいは「排便回数が多い」、「何回もトイレに入る」などが挙げられます。更に、トイレで「長時間いきむ」ことも原因です。また、トイレ以外でも座り続ける仕事の方では座り続けることが悪影響を及ぼすので注意した方が良いでしょう。ただし、2時間以上座る仕事を続けても、20分に1回、すっと立ち上がって座る、これだけで肛門の負担は軽減します。この動作により血流が改善するからです。また、お風呂で温めるのも効果的です。

便秘や下痢など排便が関連するケースも多い

痔核(いぼ痔)は便秘の人に多いのですが、便秘そのものよりも便秘によって便器に座る時間が長くなることが原因と指摘されています。裂肛(きれ痔)は便秘や下痢などいろいろな原因がありますが、肛門括約筋の締まりの強いことがきれ痔の原因の一つであることが報告されています。おしりの穴は真後ろが一番血の流れが悪いので、そこがよく切れます。痔ろうや肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)に関しては、肛門から2㎝奥のところに「直腸粘液」が出る穴が約12個〜15個あるのですが、その穴に汚染物質や細菌が入ると炎症を起こすとされ、下痢が主な原因と考えられています。「肛門周囲膿瘍」という肛門の周囲に膿が溜まる状態は切開して膿を取り除くことで軽快しますが、直腸粘液が出る穴と外側に膿を出す道が残りますと、痔ろうの病態になります。

便秘や下痢など排便が関連するケースも多い

脱出する痔核(いぼ痔)は出産前に必ず治療を

妊娠時にできるいぼ痔は、大体が外痔核(肛門の外側にできるいぼ痔)であり、妊娠後期になると膨らんできます。出産後に放っておいても皮垂という皮のたるみが残ることはありますが、大抵は自然に治ります。一方、肛門の中から出てくる痔核は、内痔核(肛門の内側にできるいぼ痔)が多いので、治療した方が良いのです。私は妊娠する可能性のある年齢の女性に「中から出てくる痔があったら、妊娠前に治療しておきなさい。外側の痔は放置してもいいですよ。妊娠すれば外痔核はできますから。」と、説明しています。妊娠する前から脱出する内痔核は放っておくと、外痔核がうっ血している妊娠の後期に血栓性外痔核といういぼ痔を引き起こし、大変な痛みになりかねませんので、内痔核の脱出があれば、妊娠前に治療しておくことを推奨しています。

質問に対する回答で、良い医師を見分ける

専門性が求められる時代になり、肛門科(肛門外科・肛門内科)を選ぶのが一般的になりつつあります。痔ろうの診察では、肛門に指を入れて2cm付近の原発口を触り診断します。指を入れない医師がいますが、それでは診断できるわけがありません。患者さんが「痔ろうの診察は指を入れて根元を触る」ということを知っていれば、その医師が信用できるかどうかの判断材料になります。また、病名を言わないで薬を処方しておきますという医師もいますが、病名がわからないのに適切な薬を処方できるはずがありません。そのような時には病名は何ですかと確認して、さらにどのような内容でも良いので、2つぐらい質問するのが良いでしょう。質問に明確に答えてくれる医師や、複数の治療法を提示してくれる医師なら信頼できると思います。

脱出しない出血だけの内痔核であれば、軟膏や坐剤で治療可能

内痔核は、痔核(いぼ痔)の一種で、肛門の外から2cmより奥の直腸にあります。その辺りの組織は、知覚神経ではなく自律神経支配ですから、痛みを感じません。脱出しないが、出血する内痔核は痔核の表面に充血やびらんを伴っているだけなので、軟膏や坐剤で治ります。しかし、痔核が脱出して膨れますと、何らかの外科的治療をしないと治りにくくなり、注射で固めたり切り取ったりという治療法が必要になることが多いのです。また、外痔核の場合は、脱出ではなく膨れているだけの場合が多いのでお風呂に入って患部を温めるのも有用です。ただし、何れの場合も出血が続く場合は、医師を受診した方が良いでしょう。

脱出しない出血だけの内痔核であれば、軟膏や坐剤で治療可能

まだ便が出そうでも、一旦切り上げて便器から離れる

便通に関しては、排便を3日に1回から1日3回までの範囲になるよう心掛けてください。便通が3日に1回では便秘と思われがちですが、医学的には許容範囲です。ただし、便が硬くなることはあります。また、便器に座る時間を短くすることも大切です。排便したい気がすると、便が出ないのに座り続ける人がいますが、これは良くありません。排便時に肛門周辺は、便が出るように動きますが、腸も中にある便を送るように動きます。便が出終わった直後もまだ腸が動いていますので、まだ便が出るように感じられます。「お腹の不穏感」というものですね。気にしていると便器から離れられなくなります。とりあえず一旦切り上げて、便器から離れることが大切です。グルグルと音がしていても、一旦離れます。排便感が強くなってくれば、また、便器に座れば良いのです。

ダメだからやめるのではなく、バランスが大切

便秘や下痢が続かないようにするためには、食物繊維をとったり、バランスよく食べたりすることが基本になります。他に注意するとすれば、飲酒です。痔核(いぼ痔)はアルコールで悪くなると言われていますが、飲酒すると便が軟らかくなり、出やすくなるので飲む人もいます。私はそれも良いと思っています。牛乳もそうです。飲んだら下痢する人もいますが、飲むと便が出やすい人なら飲んでも良いと思います。アルコールや牛乳をやめるのではなく、そのバランスが大切です。規則正しい排便習慣の指標は排便回数と便の硬さであらわされます。推奨されている便の硬さには緩い方から硬い方まで幅があります。緩い方は歯磨きペースト、硬い方はバナナぐらいと覚えておいてください。便の回数以外に便の状態をチェックして排便コントロールすることも大切です。

ダメだからやめるのではなく、バランスが大切
この記事の監修医師
齋藤 徹先生

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