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日本橋レディースクリニック 院長 野澤真木子 先生

野澤真木子先生
プロフィール
日本橋レディースクリニック 院長
  • 2008年に日本橋レディースクリニック開設
  • 日本大腸肛門病学会専門医・指導医
  • 日本外科学会専門医
  • 日本臨床肛門病学会 臨床肛門病技能指導医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医
  • 日本消化器外科認定医
  • 日本医師会認定産業医
  • 医学博士
日本橋レディースクリニック
〒103-0022
東京都中央区日本橋室町1丁目5-2 東洋ビル8階

何かと制約も多い妊娠期。運動も食事も簡単に続けられる工夫が大切。

妊婦が痔になりやすい原因として、まず便秘になりやすいことが挙げられます。つわりが始まる妊娠初期は、ご飯を食べられない方も多く、便秘になりやすいとされています。また、妊娠後期はお腹が大きくなるので、大腸が圧迫されて物理的に便秘を起こしやすくなります。便が出にくいからといって、いきむと痔は悪くなってしまいますから注意が必要です。お腹が大きくなるのは止められないので、普通に食事をして、一駅分だけでも良いので歩ける範囲は歩く、階段を使うなど、継続することが大切です。
食事では、発酵食品や海藻類などの食物繊維をとるのが良いですが、偏らずに食べることが大切。大麦系を少しご飯に入れたり、かんぴょうを卵焼きに入れたりするのも良いですね。忙しくて時間がない方には、海苔を味噌汁に入れたり、納豆をスープに入れたりするのも良いと思います。運動も食事も構えてしまうと続けるのが大変になりますから、少し体を動かしたり美味しく食べたりする工夫を「簡単にして続ける」ことがポイントですね。

おしりの症状があれば肛門科へ。

たいていの妊婦さんは、まず産婦人科の医師に相談されるようですが、産婦人科でもらった薬で治りにくい場合や、おしりに出っ張りや痛みなどの違和感、なかでも出血がある場合は肛門科を受診してください。「痔があるから」といって気にされない妊婦さんもいますが、他の病気の可能性もあるので放置はいけません。また、便潜血反応陽性の場合は消化器内科、肛門科を受診しましょう。
痔に関して言えば、手術で取らなければいけないものもありますが、取らなくても良いならうまく付き合うこと。それ以上悪化させないよう、原因を取り除いていくことが重要です。特に経産婦の場合、第一子を生んだ時にひどい目にあったから、第二子を出産する前に治したいと言われる方もいますが、一時的にひどくなっただけであれば、薬を使って治療していきます。また、妊娠中の痔で痛みや腫れ、出血がひどく改善しない場合は、安定期に入って手術をすることもありますが、出来るだけ当院では手術はせず投薬治療を行います。

産婦人科での相談が一般的。ただしおしりから出血した場合は肛門科へ。

妊産婦に限らず、薬の使用は短期間で。

妊娠中、痔の薬の使用については、基本的には医師に相談していただくのが良いと思います。市販薬も塗り薬なら問題ないと思いますが、人によっては湿疹やアレルギーが出る場合もあるので、気を付けた方が良いでしょう。市販薬を使ってみて異常が出た場合、あるいは1週間くらい使っても改善がない場合は、専門医に相談してください。ただし出血があった場合は、すぐに受診してください。
ステロイドは急性期に使うことがありますが、その場合も塗り薬で短期間だけの使用であれば問題ないと思います。
ただし、長期の使用は良くありません。長期間、ステロイド入りの薬を使わない方が良いのは、妊婦さんに限った事ではありませんので、授乳中はもちろん、普段から自己判断による長期の使用は控えましょう。

便秘と下痢を繰り返す、便が細くなる、膨満感が治まらないなど、便通異常や腹部症状があれば専門医受診を。

当院は肛門科のため、肛門の症状で来院される方がほとんどで、便秘が原因になっていることが多いです。便秘自体を理由に来院される方は、お腹が張る症状、腹部膨満感の方が多いです。どれぐらい便秘が続けば受診した方が良いかなど、期間については一概には言えません。1週間くらい便通がなくても平気という方もおられますので、人それぞれだと思います。便秘の原因も様々で大腸に病気があり便秘になっている場合もあります。
急に便秘と下痢を繰り返したり、便が細くなったり、膨満感が治まらない、便秘が改善しないなどの場合は、一度、大腸内視鏡検査を受けた方が良いですね。ただし、妊娠中の大腸内視鏡検査は出来ません。

便秘と下痢を繰り返す、便が細くなる、膨満感が治まらないなど、お腹に急変があれば内視鏡検査を。

便秘は、生活習慣の改善が基本。改善しない場合は薬で、妊娠または妊娠していると思われる場合はまず産婦人科医に相談を。

便秘は、食事及び生活習慣の見直しが基本です。ただし、食事や生活習慣を変えても便通がない人も多いので、その場合には軟便剤と整腸剤を併用します。改善すれば、薬をやめればよいのです。便秘薬も多種あり効果も人によって様々です。また、1回のお薬では効果を得られないことも多いです。
妊婦さんの場合は、飲むと明らかに胎児に影響がある薬はもちろん、基本的にはほとんどの薬に、「医師や薬剤師にご相談ください」と注意が書かれています。また、妊婦さんも使用可能となっている薬でも、体質に合わない人もいますので、自分の判断で市販薬を使うのはお勧めできません。基本は食事や生活習慣の改善などで対処するのがベストですが、薬を使用せざるを得ない場合、まずは産婦人科の医師に相談してください。便秘薬であれば、産婦人科で処方してもらえると思います。

理想的な便を理解することが、便秘改善の第一歩。

当然のことながら、薬は正しい使い方をしなければ意味がありません。便を出せば良いと思い、下剤を使って下痢になっている人もおられますが、それは間違った使用方法です。ダイエットと称して下剤を飲む方も良くないですね。当然、おしりにも悪影響があります。下剤を長く常用され、水のような便を出している方は、少しでも残便感があれば便秘だと誤解されています。歯磨き粉のような柔らかさで、便意を感じてトイレに行った時にスルっと出るのが理想的な便です。当院でも便の指標となる「ブリストル便形状スケール」を使って患者さんに説明していますので、理想的な便を理解するための参考にしてみてください。

ブリストル便形状スケール

理想的な便を理解することが、便秘改善の第一歩。

おしりの出っ張り、痛み、出血が受診のタイミング。検便の結果にも注意して!

痔の患者さんが便秘である確率は、実感値として高いと思います。痔の原因として便秘は大きな要因になります。ただし、便秘の期間が長いから痔になるかというと、そうとは限りません。便を出そうといきんだ時に、突然腫れることもあるので、便秘の期間と痔の発症との関係は一概には言えません。
受診をした方が良いのは、出っ張りや痛みを感じた時です。また、出血がある場合、検診で便潜血反応陽性の場合は必ず受診してください。逆に「痔があるから検便に引っかかったのだ」と自己判断して精密検査を受けない人もいますが、これは良くありません。必ず医療機関を受診する様にしてください。
痔を患った時の便秘の対処法は、基本的には一般の便秘と同じですが、便をうまく出せず、おしりで詰まって腫れてしまったといった場合は、浣腸や摘便の処置を行います。便を出さないと痛みがとれませんので、このようなケースは肛門科への受診をお勧めします。

おしりの出っ張り、痛み、出血が受診のタイミング。検便の結果にも注意して!
この記事の監修医師
野澤 真木子先生

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