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マリーゴールドクリニック 院長 山口トキコ 先生

山口トキコ先生
プロフィール
マリーゴールドクリニック 院長
  • 2000年にマリーゴールドクリニック開設
  • 医学博士
  • 日本大腸肛門病学会 大腸肛門病専門医
  • 日本大腸肛門病学会 指導医・評議員
  • 日本臨床肛門病学会 臨床肛門病技能指導医
  • 日本臨床肛門病学会 評議員
  • 日本外科学会 外科専門医
マリーゴールドクリニック
〒107-0052
東京都港区赤坂3丁目2-2-4階

妊娠中は我慢せず、便意を感じたらすぐトイレへ。ただし時間は3分以内。

妊娠中は、肛門周辺の血流の悪化や、黄体ホルモンによる腸の動きの悪化で、痔や便秘になりやすい状態です。ただし全ての妊婦さんが便秘になるわけではなく、下痢になる方もいます。痔には便秘も下痢も良くありませんので、基本的には便通を整えることが大切です。まず食物繊維をたっぷりとる。ただし妊婦さんの場合は、子宮による胃の圧迫や、体重コントロールで食べられないこともありますので、その場合はお薬を使うことがあります。
食事以外では便意を我慢しないこと。我慢すると便が固くなりますので、便意を感じたらすぐにトイレへ行くのが理想です。ただし排便時間は3分以内。残便感がある場合も全部出そうとするのではなく、残っている便は放っておいてください。おしりまわりを清潔に保つには、温水洗浄便座を使えば心配ないでしょう。あとは温めることですね。

おしりの違和感には、痔以外のさまざまな原因も。産婦人科の薬で治りにくければ肛門科へ。

妊婦さんの場合は、まず産婦人科の医師に聞いてみてください。妊娠中はだいたい痔になりますから、広く使われている薬を処方されると思います。当然、使用しても大丈夫な薬ですが、もし治りが悪い場合や、おしりから何か出ている、または何かできているような違和感がある場合は、痛みがなくても肛門科を受診した方が良いでしょう。おしりまわりが化膿して腫れている時は、肛門周囲膿瘍という痔ろうの前段階の状態ですし、アテロームのようなおできや毛嚢炎(もうのうえん)というニキビのようなもの、疣贅(ゆうぜい)というイボができることもあります。ピリピリする痛みがひどい時は、肛門ヘルペスの可能性も考えられますし、稀なケースですが梅毒でもおしりまわりに違和感があります。さまざまな原因が考えられますので、かゆみも含め、ご本人が気になれば肛門科を受診してください。
妊娠中の痔の治療については、お薬を塗ったり、痛み止めの内服が可能であれば飲んでもらったりします。あとは、お風呂で温めてもらうなどですね。妊娠中の痔の手術は術後出血の問題もあってリスクが高いので、基本的には行いません。痔は命にかかわるものではないので、手術をするなら、出産を終えてからです。

おしりの違和感には、痔以外のさまざまな原因も。産婦人科の薬で治りにくければ肛門科へ。

市販薬の使用は、症状に適した薬を選ぶことが大切。

痔の市販薬の使用については、妊娠中でも外用薬であれば通常問題ありませんが、心配だと思う方は薬剤師に相談されても良いでしょう。また使用する場合は、用法・用量を守って使ってください。ただし、ご自身で市販薬を使う場合、一番注意していただきたいのが、症状に適した薬を選ぶことです。使用する剤形を間違えていることが多々あり、「以前は効いたのに」とおっしゃる方もおられますが、それは偶然です。市販薬を使用しても良くならない場合は、間違った使い方をされていることもありますので、専門医に診てもらうことも必要でしょう。
胎児への影響に関しても、痔の塗り薬ならまず問題ないでしょう。内服薬は何らかの影響がありえるかもしれませんので、病院で処方してもらった方が良いでしょう。授乳中に関しても、注意する点は妊娠中とほぼ同じです。ただ現在は、抗生剤や鎮痛剤などを飲んでも良いとも言われており、内服薬についても昔に比べて使える薬が増えています。一度医師に相談し、適切な薬を安心して飲んでください。

下剤の種類も増えているので、それぞれの症状に合った薬の選択を。

便秘の種類を見分けるための検査が保険適用外であることや、専門施設でなければ検査できないという制約があり、便秘の原因を明確に特定するのは、実は難しいんです。ただし、便秘のお薬は、症状を相談すれば大体の診療科で処方してくれますので、まずはかかりつけの医師に相談し様子を見られても良いでしょう。器質性便秘など腸に病気の疑いがある場合などは別ですが、機能性便秘の場合は身近な医師に相談し、それで治らなければ専門医を受診しても良いと思います。ただし、風邪薬や咳止め、花粉症に用いる抗ヒスタミン薬など、飲んでいる薬の副作用で便秘になることもあります。また、高齢になるほど多くの薬を服用されますので、薬の副作用によっても便秘になる可能性があるということは、知っておかれると良いでしょう。
治療に関しては、保存療法として薬物治療がメインになり、基本的には軟便剤のような非刺激性の薬を使います。刺激性下剤は緊急避難用ですので、長期の使用は控えた方が良いですね。漢方系の下剤も増えていますが、刺激性の成分もあるので注意が必要です。あとは、腸内環境を整えるビフィズス菌などを使うのも良いでしょう。また、使う薬は症状によっても変わります。便が肛門まで来ているのに出づらい場合は、のみ薬では効果が小さいので、坐薬や浣腸を使います。ご自身で判断しづらい場合は、内科、胃腸科、肛門科などに相談し、処方してもらってください。

下剤の種類も増えているので、それぞれの症状に合った薬の選択を。

まずは食事や生活習慣の改善を。そのうえで薬は上手に使うことが大切。

便秘の治療については、理想は生活習慣の改善です。薬だけに頼っていれば、飲み続けなければなりません。便が出ずに困っている方には薬を処方しますが、基本的には生活習慣の改善で治していきます。
特に若い方は腸の動きは良いはずですから、まず食生活を改善してほしいですね。ダイエットはあまりせず、食物繊維や水分をしっかりとって食生活を改善すること。便秘のみならず、将来の健康のためにも良いでしょう。妊娠して子供ができたら、何を食べさせるの?ということです。実は、お母さんが便秘だったら、そのお子さんも便秘の場合が結構多いんです。同じ食卓ですからね。便通に良い食材を食べることは、食生活が豊かになることなので、便秘のためのみならず、食生活は改善すべきだと思います。
便秘薬を処方するタイミングは、個々の患者さんによって異なります。例えば、痔の治療のために必要であれば処方しますし、患者さんが自力で生活習慣を改善してみたけど無理だった場合であれば、弱い下剤から処方します。食生活の改善だけでは、どうしようも無い場合もあるでしょう。ただ、下剤を毎日飲むのではなく、時々にするといったように調整していくと良いと思います。自力で生活改善をしたうえで、薬を上手に使うことが大事です。

おしりからの出血は必ず受診を。50歳を超えたら大腸内視鏡検査を。

便秘から痔を発症する確率は、明確にはわかっていません。便秘の期間と痔の関係も一概には言えませんが、長く便秘を患っている方が多い印象はありますね。受診については、排便時の出血、脱出、痛みなどの症状が出た時に、肛門科へ行くようにしてください。特に出血があった場合は、大腸の病気のことも考えなければなりませんので必ず受診いただきたいですね。最近では便潜血検査をしっかり受けている患者さんもおられますが、50歳を超えたら、大腸内視鏡検査をやっておいた方が良いとも言われています。何も症状が無くても、一度検査を受けてみるのも良いでしょう。
痔の患者さんでも、便秘への対処は一般的な便秘の治療と同じです。ただし、痛みがある場合は、軟便にしたうえで、痛み止めも併用します。特に裂肛(きれ痔)の方では、便が固くて痛いから出したくない、時間がかかる、我慢する、詰まって出せない、という悪循環に陥る方がいらっしゃいます。こうした患者さんには、軟便剤や下剤、痛み止めなどを使って、まず排便への恐怖心をなくすようにすることが大切です。

おしりからの出血は必ず受診を。50歳を超えたら大腸内視鏡検査を。

妊娠中の便秘薬。後悔の材料にしないためにも、医師に相談を。

便秘の治療に関しては、妊婦さんの場合も基本的には生活習慣の改善が基本となります。食物繊維や水分をしっかりとって食生活を改善することは、便秘のみならず、健康にも良い影響を与えます。妊娠中から、しっかりした食生活を送るようにしてください。妊娠中はさまざまな原因が重なり、どうしても便秘になりがちです。排便が2~3日に1回でも、本人がスムーズだと感じていれば問題ありませんので、焦らないようにしてください。
薬に関しては、産婦人科の医師から処方されたものなら問題ないでしょう。市販薬も医師に相談していただければ良いですが、成分によっては陣痛を促進してしまうことがあるかもしれませんので、産婦人科で処方してもらうお薬を使っていただいたほうが良いですね。妊娠する前から飲んでいたお薬についても、医師に確認された方が良いでしょう。その方が安心できます。ほとんどのお薬の説明書には、妊娠中は医師に相談するように書いてあるため心配になりますが、塗り薬や坐薬などの外用薬は使用しても問題ないものが多いと思います。ただし、妊娠中のお薬の使用は、何か問題があった時に後悔の材料となってしまいます。少しでも不安があるなら一人で判断せずに、医師に相談されると良いでしょう。

妊娠中の便秘薬。後悔材料にしないためにも、医師に相談を。
この記事の監修医師
山口 トキコ先生

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