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ドクターに聞く「痔核(いぼ痔)の治療について」

肛門科の治療は困っている症状を取り除くこと

痔核(いぼ痔)については、症状(脱出)の度合いを表すゴリガー分類があります。大まかには、1度は出血するだけ、2度は排便時に痔核が出るが自然に戻る、3度は排便時に出てきて手で押さないと戻らない、4度は痔核が出たままと分類できます。手術が必要なのは3度からと言われています。痔核の手術に関しては、結紮(けっさつ)切除という施術がスタンダードですが、現在は内痔核を注射で治す方法も普及してきており、日帰り手術などの選択肢も広がりました。がんの場合は、見つけたら治療一本やりで治療のガイドラインから外れる方が危険ですが、肛門科の治療は、基本的には患者さんの困っている症状を取り除くことです。医学的な診断を示した上で、仕事を含めた患者さんの日常生活も考慮し、患者さんと相談しながら治療の方法を決めるようにしています。

岡崎外科消化器肛門クリニック 院長 岡崎啓介 先生

岡崎啓介先生
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切り取るのではなく、元に戻す手術「ACL法」

痔核(いぼ痔)の手術に関しては、根治性の高さから結紮(けっさつ)切除手術がスタンダードな術式ですが、術後の出血や痛み、肛門狭窄(きょうさく)のリスクがあります。当院で実施しているのは、「ACL法」という手術です。痔核は、解剖学的には肛門の便漏れを防ぐ役割をしているゴム栓のような組織(肛門クッション)がずれ落ち、肥大することでできると言われています。要するに本来必要なものですから、切り取るのではなく「もとの状態に戻す」、これが「ACL法」の考え方です。肛門機能にほとんど異常が出ず、痛みが相当軽減されます。また切り取らないため見た目もほぼ元通りになります。「ACL法」は、2014年に出版された肛門疾患診療ガイドラインにも記載されており、ここ数年でメジャーな治療になりつつあります。ただ、「ACL法」は元に戻すだけなので、切り取る手術よりも再発しやすい面もあります。ですから、術後は生活習慣に徹底的に気をつけていただく必要があります。このための生活指導も行っております。

札幌いしやま病院 理事長 石山元太郎 先生

石山元太郎先生
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スタンダードな結紮(けっさつ)切除術で、入院期間は基本10日間

当院の統計では、初診で痔核(いぼ痔)と診断され、手術をされる患者さんはおよそ25%です。結紮(けっさつ)切除術というスタンダードな方法で入院期間は基本的には10日間。ただし、当院は鹿児島という土地柄、すぐに病院に来ることができない離島の方も多いので、そのような方は危険な時期が過ぎるまで少し長めに入院していただきます。全体としては、平均すると12日間程度でしょうか。手術の方法や器具は年々進化しており、以前に比べると安全性も上がり、時間もかなり短縮されました。現在は、「ALTA注射」と呼ばれる硬化療法も広まっています。外痔核を切り、内痔核を注射で固める方法ですが、切る範囲が半分になるので、都心部ではこの術式で日帰り手術をしているところも多いですね。

鮫島病院 院長 鮫島隆志 先生

鮫島隆志先生
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手で押し込める脱出でも、早期受診が有効

初めて出血した方や急にできた血栓性外痔核の患者さんなどは、まあまあ早く来院されますが、普段から排便のたびに出てきて指で押し込んでいるような人は、徐々に悪くなっていますので何十年も我慢している人もいます。最初はちょっと出て自然に収まっていたものでも、排便の時、スポーツの時、そして歩いている時にも脱出するようになります。脱出は薬ではよくなりませんので、我慢せずに早めに来院していただきたいですね。小さなものであれば外来でゴム輪結紮(けっさつ)療法や注射による硬化療法などが行われます。根治手術はいぼ痔を切り取るもので、しっかり行えば再発する可能性は低いです。

所沢肛門病院 院長 栗原浩幸 先生

栗原浩幸先生
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まずは投薬と生活習慣の改善で様子を見る

当院での痔核(いぼ痔)の治療は、最初は軟膏や飲み薬を使うことが多いです。食生活や仕事の内容などもからみますので、当院で作成している「肛門病の治療と予防10ヶ条」をお渡しして、生活改善もしていただきます。薬も使って約1ヵ月様子を見て、効果がなければ手術を検討します。当院は結紮(けっさつ)切除術とALTA療法の両方を取り入れています。結紮切除術が7割、ALTA療法が3割ですが、患者さんと相談の上決定します。入院期間としては、ALTA療法は1泊2日で済みますが、結紮切除術は1週間かかります。確実に根治を目指すなら結紮切除術ですが、現役世代の男性は、仕事が休めないということで、ALTA療法を選ぶ方も多いですね。反対に女性の場合は、ゆっくり休んで結紮切除術で根治させたいという方が多いようです。

ALTA療法・・・注射により痔核を固めて小さくする内痔核硬化療法

松田病院 院長 松田聡 先生

松田聡先生
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脱出しない出血だけの内痔核であれば、軟膏や坐剤で治療可能

内痔核は、痔核(いぼ痔)の一種で、肛門の外から2cmより奥の直腸にあります。その辺りの組織は、知覚神経ではなく自律神経支配ですから、痛みを感じません。脱出しないが、出血する内痔核は痔核の表面に充血やびらんを伴っているだけなので、軟膏や坐剤で治ります。しかし、痔核が脱出して膨れますと、何らかの外科的治療をしないと治りにくくなり、注射で固めたり切り取ったりという治療法が必要になることが多いのです。また、外痔核の場合は、脱出ではなく膨れているだけの場合が多いのでお風呂に入って患部を温めるのも有用です。ただし、何れの場合も出血が続く場合は、医師を受診した方が良いでしょう。

大阪中央病院 外科 特別顧問 藤徹 先生

齋藤徹先生
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岡崎 啓介先生
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鮫島 隆志先生
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松田 聡先生
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