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ドクターに聞く「痔ろうの治療について」

「仙骨硬膜外麻酔」で麻酔自体の痛みも軽減

痔ろうは、保存療法ではほとんど治癒しないため、完治させるためには手術が必要になります。痔ろうのタイプによって手術の方法は大きく異なり、日帰り治療では治せないケースも多くあります。また、痔ろうの治療においては、麻酔も負担の一つになります。膿瘍がある場合は、切開する前に一般的には患部に局所麻酔を打つのですが、この麻酔自体が大変な痛みを伴うのです。ただ、当院で使用している「仙骨硬膜外麻酔(せんこつこうまくがいますい)」は、その痛みが無いので患者さんの負担もかなり軽減されていると思います。「仙骨硬膜外麻酔」は、おしりの周囲にだけ麻酔をかけられ、2時間程度で切れるので、当院では日帰り手術をはじめさまざまな手術に使用しています。

札幌いしやま病院 理事長 石山元太郎 先生

石山元太郎先生
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痔ろうは10年以上放置すると「がん」になるケースも

痔ろうは、おしりのまわりに膿がたまる「肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)」が原因で起こりますが、これは肛門と直腸の間にある小さな穴に細菌が入り、炎症を起こすことが原因です。裂肛(きれ痔)がひどくなって潰瘍(かいよう)になり、その深い傷から菌が入って膿瘍(のうよう)ができるケースもあります。これが進行すると、肛門と肛門周囲の皮膚に膿を出すためのトンネルができ、痔ろうになります。ひどくなると皮膚にできた穴から膿が出続けます。ただこの状態になると、下着は汚れますが膿が溜まらないので痛みはありません。しかし放置するのは危険。痔ろうは10年以上放置し、がん化した例があります。定年退職後に、ゆっくり治そうと放っておいた結果、がんになっていたということもありますので、放置せず、必ず病院に行ってください。

鮫島病院 院長 鮫島隆志 先生

鮫島隆志先生
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痔ろうの患者さんには、複雑化する前に手術を勧める

痔ろうの患者さんは、普段は膿んでいないのですが、下痢などの時に膿むケースが多いですね。痔ろうはやはり手術が必要です。おしりに膿を出す「瘻管(ろうかん)」という芯のような管が痔ろうなので、その管を取り除くのが手術です。これまでは、痔ろうの原因となる「肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)」の患者さんが100%痔ろうになると言われていたのですが、最近では2〜3割ぐらいの人はそのまま治るとも言われています。当院では、しこりがはっきりしているものに関しては早めに手術を勧めています。大半は初めて来院されたタイミングで手術を勧めるのですが、その時に手術をしなかった方でも、再発して2度目に来院された時は必ず手術をしています。痔ろうが再発を繰り返すうちに、膿が今までとは違う場所から出たりして複雑な形になることがあるからです。複雑な形になれば当然手術で切る部位も大きくなってしまいます。

所沢肛門病院 院長 栗原浩幸 先生

栗原浩幸先生
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一般的な手術に加え、筋肉を全く切らない手術方法も登場

痔ろうに関しては、ほとんど手術しか手はないのですが、今までの痔ろうの手術は、肛門内から肛門外の皮膚に貫通する膿が通るトンネルをくり抜くのが主流でした。くりぬいてできた穴に輪ゴムを通し、その輪ゴムを徐々に小さくしていく方法で、ゆっくり4〜5ヵ月かけて筋肉を切りながら修復されていき治っていくというイメージです。これに対し、近年各専門病院が始めているのが、筋肉を全く切らない「括約筋温存術」です。当院で施行している「LIFT手術」は、膿の管を糸で縛って膿の交通を遮断し、外側の筋肉と関係ないところだけをくり抜くもの。外側のくり抜いた部分には、遮断しているため細菌が入れず、枯れてなくなるというものです。

松田病院 院長 松田聡 先生

松田聡先生
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この記事の監修医師
石山 元太郎先生
鮫島 隆志先生
栗原 浩幸先生
松田 聡先生

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