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ドクターに聞く
「便秘になる原因はさまざま。気を付けなければいけないことは?」

ドクターに聞く「便秘になる原因はさまざま。気を付けなければいけないことは?」

治療が必要な慢性便秘。お腹の痛みや張りが続く場合は一度受診を。

ここ数年で、便秘の分類についてもかなり変わってきています。大きくは、機能性便秘と器質性便秘に分かれ、機能性便秘は、急性便秘と慢性便秘に分けられますが、一般的に治療が必要とされるケースは慢性便秘です。急性便秘は一過性の体調の変化などで起こる便秘ですから、原因が取り除かれれば治ります。例えば旅行に行った時に、一時的に出なくなるというのは典型的な急性便秘です。これはあまり心配する必要はありません。薬による治療が必要な慢性便秘についても、基本的には規則正しい食生活、睡眠など生活習慣の改善が重要になります。
器質性便秘に関しては、大腸が狭くなることで起こる狭窄性と、大腸の形の異常が原因で起こる非狭窄性があります。狭窄性のものは大腸がんやクローン病など、非狭窄性のものは結腸が異常に拡張肥大する巨大結腸や、大腸が腟の方にはみ出てしまう、女性特有の直腸瘤などがあります。治療自体が困難となることも多く、手術が必要な場合もあります。便秘の種類によって治療方法は大きく変わってきますので、お腹に痛みや張りを感じて悩んでおられる方は、一度受診された方が良いでしょう。

よどがわ内科クリニック 副院長 兼 肛門科顧問 上月雅友 先生

上月雅友 先生
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下剤の種類も増えているので、それぞれの症状に合った薬の選択を。

便秘の種類を見分けるための検査が保険適用外であることや、専門施設でなければ検査できないという制約があり、便秘の原因を明確に特定するのは、実は難しいんです。ただし、便秘のお薬は、症状を相談すれば大体の診療科で処方してくれますので、まずはかかりつけの医師に相談し様子を見られても良いでしょう。器質性便秘など腸に病気の疑いがある場合などは別ですが、機能性便秘の場合は身近な医師に相談し、それで治らなければ専門医を受診しても良いと思います。ただし、風邪薬や咳止め、花粉症に用いる抗ヒスタミン薬など、飲んでいる薬の副作用で便秘になることもあります。また、高齢になるほど多くの薬を服用されますので、薬の副作用によっても便秘になる可能性があるということは、知っておかれると良いでしょう。
治療に関しては、保存療法として薬物治療がメインになり、基本的には軟便剤のような非刺激性の薬を使います。刺激性下剤は緊急避難用ですので、長期の使用は控えた方が良いですね。漢方系の下剤も増えていますが、刺激性の成分もあるので注意が必要です。あとは、腸内環境を整えるビフィズス菌などを使うのも良いでしょう。また、使う薬は症状によっても変わります。便が肛門まで来ているのに出づらい場合は、のみ薬では効果が小さいので、坐薬や浣腸を使います。ご自身で判断しづらい場合は、内科、胃腸科、肛門科などに相談し、処方してもらってください。

マリーゴールドクリニック 院長 山口トキコ 先生

山口トキコ先生
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下剤の飲み過ぎで下痢になっている場合も。薬がなくても大丈夫という自信をつける。

便秘には、直腸性や弛緩性などという分類がありますが、私は患者さんにはそう言った医学用語は使いません。「どんな間隔で便が出るのか」「そこまで来ているのに出ないのか」「硬いのか軟らかいのか」などといった症状をもとに、アドバイスするようにしています。硬い便なら「しっかり水分摂ってね」、腸が動いていないなら「運動してね」など、わかりやすい表現を使って説明します。
便秘の治療で大事なのは、やはり生活習慣の改善です。まず早寝早起きをお勧めしています。ヒトは小腸からセロトニンと呼ばれる幸せホルモンを出しますが、朝日を浴びることで分泌が促進されます。朝日を浴びて「今日も一日がんばるぞ!」となると、腸も元気に活動するようになるのです。
実は便秘ではないのに「自分は便秘だ」と思い込み、薬を常用している方も少なくありません。毎日便が出ないのは便秘ではありません。毎日同じ時間に便が出るのは理想ですが、2、3日に1回でもスッキリと残便感なく便が出ていればOKです。当院にも「市販の便秘薬をやめたい」と来院される患者さんがいます。中には便秘薬の飲みすぎで下痢を起こしている方もいます。下痢なので残便感もあるし、おしりも荒れています。そんな方には、生活習慣を改善するようお話し、市販薬を止め、続けても大丈夫な内服薬に変えるようお話します。しかし、止めてすぐ便秘が治るわけではないので、3日間やってだめならこれまでの薬を1回飲むように勧めたりして、「前より出るようになったね」と患者さんと一緒に喜び合います。「自分もやればできるんだ」という自信を持つことが大切です。

川堀病院 竹田春華 先生

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この記事の監修医師
上月 雅友先生
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竹田 春華先生

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