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ドクターに聞く
「がんと痔の関係」
おしりに何か不快感

ドクターに聞く「がんと痔の関係」

まずは、がんのリスクを取り除くことが重要

おしりからの出血の場合、一番にがんを疑わなければなりませんが、痔の治療とがんの治療は根本的に違います。がんの場合は、とにかく急いで治療に専念しなければなりません。出血で来られた患者さんでがんの疑いがある場合、スケジュールに余裕があれば、その日に内視鏡を入れ、大腸の病変が無いかどうかを確認します。患者さんも潜在的には大腸がんを心配しているため、医師に痔と診断してもらうことを期待している節があります。安易におしりの病気と診断せず、まずはがんのリスクを疑い、そのリスクを消してあげることは、私たち医師の責任でもあります。

岡崎外科消化器肛門クリニック 院長 岡崎啓介 先生

岡崎啓介 先生
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繰り返しの出血や便の異変は放置せず病院へ

来院の理由としては「出血」が最も多いのですが、一番やってはいけないのが、何度も出血を繰り返しているのに勝手に痔だと思い込んで放置しておくことです。なぜなら、「大腸がん」のリスクもあるからです。中には、出血しているにもかかわらず1年以上も放置している患者さんもいますが、これはよくありません。また、便の形状が以前から比べて変化してきた時も要注意です。便が細くなってきた、柔らかい便しか出ないなどがあれば、これも大腸がんの警告サインです。また大腸がんが原因で便秘になることもありますので、便秘だからと安心せず、おかしいと思ったらすぐに病院に来てください。痔は治りますが、大腸がんは早期に見つけなければ治癒が難しくなります。

札幌いしやま病院 理事長 石山元太郎 先生

石山元太郎 先生
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血のめぐりが良い肛門周辺のがんは転移しやすい

出血や痛みを訴えて来られるケースで、一番怖いのはがんです。消化管の下端である肛門管は知覚神経がものすごく発達しており、小さくても痛みを感じます。反対に、腸と肛門の境目より内側は、痛みを感じる神経が無いので痛くなく、痔核(いぼ痔)ができてもわからないことがあります。直腸・肛門周辺は「第二の心臓」と言われる程、血のめぐりが良い場所で、そこにがんができれば、例え小さくても、がん細胞が血流やリンパの流れに乗って脳や肺、周囲のリンパ節に運ばれてしまいます。「おしりが痛い」と診察に来られた方は、常にがんの疑いを持って診察しています。「痔で死ぬことはないが、がんでは死ぬことがある」と、肝に銘じておいてください。
他にはがん以外でも、潰瘍(かいよう)性大腸炎、クローン病といった大腸の病気も考えられますので、出血があればまずは病院を受診されることをお勧めします。

鮫島病院 院長 鮫島隆志 先生

鮫島隆志先生
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早期発見の大腸がんは、カメラでの切除が可能

出血、痛みはすぐ受診した方が良い症状です。当院で、痔の手術をする前の患者さんに大腸カメラを施行すると約13%の人にポリープが見つかっていました。1割以上です。また、がんは0.4%の人に見つかり、1000人に4人にがんが見つかるという確率になります。こうした統計を見ていると、痔だと思い込まずに受診いただいた方が良いと感じます。早期の大腸がんは内視鏡で切除できますが、放置すると進行がんになってしまい開腹手術をしなければならなくなることがありますので早期発見が大切です。また、直腸にがんがある方は、指を入れるとすぐにわかりますので、指を入れての検査(指診)はとても重要です。

松田病院 院長 松田聡 先生

松田聡先生
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この記事の監修医師
岡崎 啓介先生
石山 元太郎先生
鮫島 隆志先生
松田 聡先生

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